RUN&GUN
朔太郎が行ってしまうと、三郎太は襖を閉め、与一に座布団を勧めた。
与一が座ると、すかさず藍が与一の膝に乗る。

「ちょっと・・・・・・。いてて、待て待て」

与一は藍を抱き上げると、お蓉に‘失礼’と断って、あぐらの足をさらに崩し、開いた足の間に藍を下ろした。
藍が、またしてもべたりと与一の胸にくっつく。

「可愛いでしょう? こんな彩さん、初めてなのじゃなくて?」

お蓉が、にこにこと与一の反応を見ながら言う。
三郎太も、にやにやと様子を窺っている。

「確かに、これほど必死に引っ付いてくるのは、初めてかもしれねぇけど」

「違うわよ。娘らしく着飾った彩さんよ。元々お可愛らしいから、お化粧もあまりしてないけど、見違えるように綺麗でしょう?」

素っ気なく言う与一に、お蓉がじれったそうに言う。
与一は腕の中の藍に、視線を落とした。

「お前は照れても、表情に出ないから、面白くねぇなぁ。でもお嬢さん、入ってきたときは、彩ちゃん見て驚いてたから、彩ちゃんの可愛らしさに度肝抜かれたのは、間違いないですぜ」

なぁ? と、三郎太が与一を肘で小突きながら言う。
藍は珍しく、茶々を入れるわけでもなく、与一の胸に引っ付いたまま大人しい。
藍のその態度のほうが、与一は気になった。
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