クラウピア 〜雲の上の国の物語〜
『地上界の…』
『地上界の武器は質がいいの。だから、伝説の武器はほとんど天上界にあるわ。地上界じゃ能力を発揮しきれないから、もったいないもの。』
『………』
 そっか…

でも、納得できるような、

できないような…

だって、もともと地上のものをだよ?

勝手に持ってきて、勝手に使うなんて

しかし、ナナはそんな疑問を持つ俺に気づくことなく、話をはじめる。

『干将と莫耶は、夫婦剣なんだけど、これは鍛冶屋とその奥さんに由来してるの。』
『夫婦剣…』
『強力な双剣だけど、たくさんの人を殺してる、殺人剣。殺された人の怨念とかは、その武器にも宿るもの。だから…』
 言いたいことはわかった。

つまり…

『呪われてるんだな?』
『そーいうこと。だから、それをも押さえ込める力を持たないと、扱えない代物よ。お兄様は完璧に使い切ってたわ。』
『あれは天賦の才じゃな。干将、莫耶もあいつを作られてからずっと待っていたんじゃないかと思うほどだった。』
 コースケ…

そんなに強かったのか…

『ナナじゃないか!』
 いきなり扉をあけて、男が出てきた。

同い年か、少し下くらいだろう。

『ゔ…ザッツ…』
 あきらかに表情をゆがめるナナ。

ナナ、顔に表しすぎじゃないかな、、、

感情をさ…
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