幼馴染みの初恋

過去から繋がる今

電話に起こされ不機嫌になる白夜。
「もしもし?」
寝起きの声は何でこんなマヌケに聞こえるのか不思議だ。電話の相手はユイの母親だった
「ごめんね…起こしちゃた?」今起きた所と言う。何か、あったの?と聞くとユイがまだ学校から帰ってないので行き先を知らないかという電話だった。ユイはこんな遅くまで家に帰らない事はない。遅くなるならちゃんと電話を入れるようにしているらしい俺は知らないと言って電話を切る…
まっ、読者の皆なら分かると思うがユイを探しに行くのがお決まりだよな。そう!俺もそのお決まりの一人なのだ、冬なので厚着をして家を出る最初に探す場所は学校に決めていた。急いで通学路を走る朝と夜はいつもと同じ道を全く違う世界に誘っている様に感じる 朝に見えないものが夜に見えて夜に見えないものが朝にみえる。まるで暗闇でしか生きれない生物みたいだ学校の校門が見えてきた。
白夜は立ち止まる…
息を荒くして口から吐く息は空気に触れた瞬間白くなって消える、それが三回程繰り返された。白夜はゆっくり校門に近付く…ザクッ…ザクッ…
校門は閉まっている。校舎の明かりもない、白夜は少しの間誰もいない校舎を見る。白夜はユイが行きそうな所を考える…あそこか?…いや…違う…何処だよ…
白夜は少し焦り始めた。その時…
「ハクぅ〜♪」聞き覚えのある声、ハヤテだ!
白夜はハヤテに事情を説明する
「俺も手伝うにゃん♪言っただろ二人を応援するって!」
頼りになるゲイ…いや頼りになる友人だ!
二人は街の方に行く事にした。
街はクリスマスのデコレーションで夜でも明るい。イチャつくカップル、警察に連れて行かれる中学生達。
皆の街にもいるだろ?こーゆ騒がしい人間が。でも、こんなやつらが居るから賑やかな街なのかもしれない、こいつらも皆も一緒にすると地球のデコレーションの一部なんだから。
白夜とハヤテは大きなクリスマスツリーがある所まで歩く。白夜はまた息を荒くする、ハヤテはまたあのニコニコした表情で話し始める「良かったにゃん♪これハクと見たかったにゃん♪」こんな時に言うかコイツ。なんでだよって顔した、ハヤテは話し続ける ハヤテはツリーの一番上にある☆を見る
「これ、見るのは好きな人と見るって決めてた。」
ハヤテが遠い目をする
白夜は、ふッとハヤテとの出会いを思いだす…


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