ふわふわのいた町
立ちかけていたリエがまた座り込んだ。あたしは、リエが涙ぐんでるに気付いたけど、何も言えなかった。最初はちょっと
いい気味
って思ってた。確かにリエも調子づいてるのにムカつくことがあったから。でも、今のリエはちょっと可哀想に思った。それより、いつも一緒にいて、一番の仲良しだと思ってたユウコがこんなにリエが嫌いだったなんて。
それに、リエがこんなに弱い子だったなんて。
ユウコのカレシは一体、リエに何を言ったんだろう。したんだろ?
「悠々、ユウコのカレシって、ちょっとアブナイんだって」
アキが言った。ユウコがいないとき、内緒話で教えてくれた。カレシのお父さんはこの町で有名な建設会社の社長さんだった。
「お金持ちなんだって」
「ふーん」
「こないださ。逮捕されたじゃん」
「なんで」
「ワイロをあげたとか何とかで」
「あれって、もらった方が悪いんじゃないの」
「ううん、あげた方もつかまるんだって」
「そうなんだ」
あたしたちは新聞を読まない。テストの時事問題に出るから、新聞を読めって先生は言うけど、朝は忙しくてそんなひまない。
「じゃあ、ユウコのカレシのお父さん、刑務所にいるの?」
「ううん、つかまったけど。すぐ釈放されてるんだって」
「ふーん」
「で、自分の会社だから首になるわけじゃないし」
「そうなんだ」
いい気味
って思ってた。確かにリエも調子づいてるのにムカつくことがあったから。でも、今のリエはちょっと可哀想に思った。それより、いつも一緒にいて、一番の仲良しだと思ってたユウコがこんなにリエが嫌いだったなんて。
それに、リエがこんなに弱い子だったなんて。
ユウコのカレシは一体、リエに何を言ったんだろう。したんだろ?
「悠々、ユウコのカレシって、ちょっとアブナイんだって」
アキが言った。ユウコがいないとき、内緒話で教えてくれた。カレシのお父さんはこの町で有名な建設会社の社長さんだった。
「お金持ちなんだって」
「ふーん」
「こないださ。逮捕されたじゃん」
「なんで」
「ワイロをあげたとか何とかで」
「あれって、もらった方が悪いんじゃないの」
「ううん、あげた方もつかまるんだって」
「そうなんだ」
あたしたちは新聞を読まない。テストの時事問題に出るから、新聞を読めって先生は言うけど、朝は忙しくてそんなひまない。
「じゃあ、ユウコのカレシのお父さん、刑務所にいるの?」
「ううん、つかまったけど。すぐ釈放されてるんだって」
「ふーん」
「で、自分の会社だから首になるわけじゃないし」
「そうなんだ」