恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
それからしばらくして、藤崎先生がかーくんを連れて家に来た。
明らかに調子が悪そうなかーくんは、藤崎先生に寄りかかり、何とか意識を保っているという状態だった。
「の…ぞ、み……」
「…喋んなって。心配ないから、休んでろ。」
かーくんを玄関からベッドまで運んでくれた藤崎先生は、私の方を見て起き上がろうとしたかーくんを制して言った。
「後は俺に任せて。ゆっくり休んで、早く良くなってくれればいいから。な?」
「…………」
藤崎先生の言葉に、かーくんは小さく頷いて目を閉じた。
「風邪じゃないみたいなんだけど…熱は高いからさ、安静にしてるようにって。」
かーくんが寝てしまった後、藤崎先生が病院で言われたことを私に話してくれた。
「ごめんなさい…私が今朝気付けば、こんなことには……」
本当に、どうして気付いてあげられなかったんだろう?
「いや…希ちゃんのせいじゃないよ。それに、俺が気付いたのも3限目ぐらいだったし…」