恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
お母さんはすぐには電話に出なくて、だいぶ待たされた後に電話に出た。
『…もしもし〜?』
明らかに寝起きの声。
こんな時間にごめんね…
「お母さん…っ!私、希。赤ちゃん…生まれそう、なの……っ」
痛みに耐えながら、途切れ途切れに話す。
そして、少しの沈黙があり─
『えっ?ほ…本当!?わかった、お母さんも今から行くから。希、頑張るのよ!!』
お母さんは急に慌て出し、私が返事をする前に電話を切ってしまった。
もう…
「お義母さん…何だって?」
携帯を手に呆然としていると、かーくんが運転しながら聞いてきた。
「すぐ行くって……うっ!!」
質問に答えた後、今までで一番激しい痛みに襲われた。
ヤバイ…
「希…もうちょっとで着くから、頑張れ!!」
かーくんの言葉に、私はもう何も言えず、ただ頷くことしか出来なかった。