秘密事は図書室で~甘い会長の罠~


楽しそうに笑いながら

時々、吹雪先輩とアイコンタクトしながら


軽やかにギターを弾く姿が

イヤでも瞼に焼き付くから


目を瞑っても意味がないの。

目を瞑っても、頭には先輩が浮かぶの……




「……っあ…」




今、一瞬だけ

一瞬だけ、神崎先輩と目が合った気がする。



……あたしがここにいるって

気付いて。





なぜか止まらない涙を拭いながら

先輩を見つめる。




…でも

あんな遠いところにいるのに


あたしなんかに気付くワケない。




今のあたしは、星の数ほどいるうちの一人。


ちっぽけすぎるから。





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