あの雨の日、きみの想いに涙した。
竹田とは駅のホームで別れ、俺は香月駅に向かう電車に乗り込んだ。電車の中は帰宅途中の学生で溢れていて、俺はドアに一番近い場所に立つ。
その間あの女のことを考えていた。
――『結局、冴木くんの態度は昔も今も変わらないけどね』
高校一年生の現在を今と言うなら昔とはいつだろう?
もしかして中学の時……?
思えば中学校の時から始まった女関係。どんな女がいて、どんな女としたかなんて、もちろん記憶にない。
今考えると、中学時代は今よりひどかったと思う。来るものは拒まなかったし、女の扱いなんてシカトが当たり前。
思春期だったこともあり毎日イライラしてやる気がなかった。
今と変わらないと言われればそうだけど、愛とか恋とか一番馬鹿馬鹿しいと思ってた時期。
俺を恨んでるヤツなんて相当いると思うし、傷つけた人間だって多いと思う。宮野麻奈がそのひとりだったとしてもなんの不思議もない。
ただひとつだけ気になるのは、青木と俺のやり取りを知っていること。
青木に聞いてみようかと思ったけどやめた。巻き込みたくないし、別に大事(おおごと)にする問題でもないと思ったから。