センセイ
「先生、今年の夏休みは先生のお世話にならないようにするからね」
「おー、頼むぞ。あと変な男にはもう引っ掛かるなよ」
「わかってるって。縁交とか身体売るのは、先生が相手の時だけにしとく」
「ばーか。オレに金はないぞ。ってか、そういう言葉を簡単に口にするな!」
「きゃははは。冗談に決まってんじゃん。じゃーね〜」
「…っとに」
呆れながらも、その後ろ姿を見送る視線が優しい。
センセイ、こんなふうに離れた所からでも、センセイを見てると呼吸が苦しいよ。
その目で見つめられる
あの子になりたい。
ゴムボールを投げ合える、
あの男子になりたい。
少しでもセンセイの近くにいたくて、小さな努力をくり返しても
それが優等生だからそうしてるって、そんなふうに思われるだけじゃ悲しいよ。