センセイ
理解しがたい言葉に、私の顔からは強がりの表情が消えていった。
よくわからなくて。でもセンセイの手の感触は私を裏切らなくて。
「嘘でも真実でも、どっちでもいいんだよ。それがお前に取って辛いことなのかそうでないことなのか。オレにはその方が重要なことだから」
「センセイ…」
「だから、もう苦しむな」
「…………っ」
きっと、他の生徒と何ひとつ違わなくていい。
同じ視線で、同じように見てもらえて。
当たり前に接してもらえたら、それで良かったのかもしれない。
ただ、今のままの私じゃ、全然目立たなくてセンセイの目になんかとまらないから。
少し、寂しかっただけなのかな。
「苦しかったよな、平山」
「ふ、…ぅっ、センセ…」
だってセンセイは、やっぱりみんなを大事に思ってる。
そして私は、そんなセンセイに惹かれたんだ。
だからセンセイの優しさを、身を持って感じられるなら。
大好きなセンセイを、傷つけずに済むのなら。
私の小さな気持ちなんて…