センセイ
「センセイ…、ごめんなさい。私、汚いよね。最低だよねっ……、ぅっ…」
好きだと伝えたかった気持ち。
でも今の私には、そんな資格もないんだと思った。
もっともっと、今よりも自分に正直に、素直な想いを言葉にできるようにならないと。
「平山は汚くなんてないよ。他の奴らより透明すぎて、小さなキズも目立ってしまうだけだろ」
こんなにダメな私を、それでも大事に支えてくれる。
すごいね、センセイ。
優しいね、センセイ。
大好き、大好き。
静かに涙を流すセンセイを、私はセンセイの腕の中から見上げた。
他には存在しないくらいの素敵なセンセイを、なんでこんなに苦しめたかったんだろう。
少しずつ解かされていく張りつめた気持ち。
きっと今なら、この現実に向き合って頑張っていけるかもしれない。
いつかはセンセイに、ちゃんとこの気持ちを伝えられるように
これからもセンセイを見つめながら、たくさんの生徒の中の一人として……
ガラッ———
「しっ、白鳥先生!」
「……湯本先生」