センセイ
———それでは白鳥先生の方から、一言お言葉を頂きます。白鳥先生、お願いします———
「はい。…えーと、急なんですが、僕は今日でこの学校とさよならすることになりました。長い間にできたいろんな思い出は、僕の人生の中で———…」
ステージ上に立つセンセイの姿は、涙が潤んで邪魔をするからうまく見えない。
話をするセンセイの声は、感情が混乱してうまく聞き取れない。
あの日、生徒指導室に呼ばれても、結局私の話なんて誰一人信じてくれなくて。
湯本先生が見た光景が変えようのない事実だからと、責任はすべてセンセイに被されてしまった。
そしてセンセイは、それに反論することもなかったんだ。
———八月、生徒指導室
「白鳥先生、先生は生徒に特別な感情を持って接してたということですか」
「たくさんの生徒が信頼してたのに、それを裏切るような行為をして恥ずかしくないんですか」
本当は私なのに。
悪いのは私だったのに。
誰も信じてくれなくて。
センセイは私をかばうことに、一生懸命で。
「そうですね、直視できないくらいに眩しい存在だったので。つい出来心が芽生えたんだと思います」
「ちがう!センセイっ…」
「平山、大丈夫だから」