センセイ



大丈夫だから、大丈夫だからって、ずっとセンセイは私に笑顔を向けてた。

なんで…、どうしてそこまでしてくれるの。

私がした取り返しのつかない行為を、そんなふうに受け止めたって損するだけでしょ。

センセイの未来をなくしちゃうだけでしょ。

それなのにどうして。



「平山は僕をかばおうとしてくれる純粋な生徒です。他の生徒にはこのことが広がらないように…、平山が周りから違う目で見られることだけは避けたいので、どうかよろしくお願いします」



あの言葉通り、センセイが私を怒ることなんてなかった。

私だけが許されたって、センセイが罰を受けるんじゃ意味ないのに。

センセイがいなくなったら、私の高校生活だって終わりなのに。



「白鳥先生には、それなりの処分を受けてもらいます」

「はい、わかってます」



センセイは、ホントに最後まで優しかったね。

苦しくて、苦しくて。

センセイの笑顔のせいで、もっともっと苦しくて。



「センセイっ…」





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