歪んだお姫様の御伽噺









「アリス、見て。あの娘が狂っちゃったみたいだよ」

アリスと呼ばれた娘が驚きもせずに言う

「本当だ」


「君、彼女にあげたクッキーになにを仕込んだ?」


灰色の髪の毛をした男が問う


「クスッ…愛情ってね、時には凶器になるのよ。
この間の人魚の姫だってそうだったでしょう?

ま、あの娘は最後に正気に戻ってしまったけれど。」




「会って間もないのにそんなに愛情が芽生えてしまったのかい?」


「いいえ。彼女たちは小さい頃からの幼なじみ。

お互いは自分のことを忘れたと思っているみたいだけど。
その頃から二人にはそういう感情があったのよ」





私のあげたクッキーの味は…

彼女と彼の



思い出の味




< 27 / 75 >

この作品をシェア

pagetop