ブルーストーンは永遠に
でも藤田はお構いなしに打ってはゴールの外枠に逃がしていた。
ぼくたちは限られた貴重な時間の中で即席試合を楽しんだ。
陽射しは相変わらず暑かったけど、さほど気にならなかった。
もう一度振り返ったけど、そこにはゆかりの姿はどこにもなかった。
夏が過ぎ去った後には日焼けだけが証拠のように誇らしげに残っていた。
秋口に入ったとはいえ、まだ残暑が色濃く残っていて、袖で拭った汗は、それでもひっきりなしに浮きでてきた。
部活が終わったというのに、空はまだ夜を忘れたように明るさを保っている。
暑さに比例して、ぼくは無性にアイスが食べたくなった。
ぼくは近くのコンビ二に入って、コーン付きのアイスを三つ買った。どっちかというとカキ氷のものよりシャーベットの方が好きだった。ドアを開けると人目をはばからずにせっせと口に運んだ。
冷たい塊が口の中で涼感を広げていく。その冷たさの中にかくれていた甘さがあとからやんわりと広がった。
その瞬間だけ家庭の事も、学校の事も綺麗に忘れられた。
半分まで平らげた時、ちょうど道の角から天のいたずらかのようにゆかりが現れた。
びっくりして、動作を忘れたぼくは、ボケッと突っ立ったままだった。
「あっ 買い食い。悪いんだあ」
意地悪っぽく彼女は言った。
ぼくは胸の奥が火照ってくるのがわかった。
それでいてアイスを食っていたせいか、食べる事で焦りがそっちに依存されたのか、原因はわからないけど、とにかくぼくは意外に沈着だった。
ぼくは袋を開けて二つ目のアイスを出すと彼女に突き出した。
「はい、これで君も共犯者だ」
彼女は袋の中をちらりと見た。
「三つも買ったの?」とゆかりはクスクスと笑いを漏らした。
ぼくたちは限られた貴重な時間の中で即席試合を楽しんだ。
陽射しは相変わらず暑かったけど、さほど気にならなかった。
もう一度振り返ったけど、そこにはゆかりの姿はどこにもなかった。
夏が過ぎ去った後には日焼けだけが証拠のように誇らしげに残っていた。
秋口に入ったとはいえ、まだ残暑が色濃く残っていて、袖で拭った汗は、それでもひっきりなしに浮きでてきた。
部活が終わったというのに、空はまだ夜を忘れたように明るさを保っている。
暑さに比例して、ぼくは無性にアイスが食べたくなった。
ぼくは近くのコンビ二に入って、コーン付きのアイスを三つ買った。どっちかというとカキ氷のものよりシャーベットの方が好きだった。ドアを開けると人目をはばからずにせっせと口に運んだ。
冷たい塊が口の中で涼感を広げていく。その冷たさの中にかくれていた甘さがあとからやんわりと広がった。
その瞬間だけ家庭の事も、学校の事も綺麗に忘れられた。
半分まで平らげた時、ちょうど道の角から天のいたずらかのようにゆかりが現れた。
びっくりして、動作を忘れたぼくは、ボケッと突っ立ったままだった。
「あっ 買い食い。悪いんだあ」
意地悪っぽく彼女は言った。
ぼくは胸の奥が火照ってくるのがわかった。
それでいてアイスを食っていたせいか、食べる事で焦りがそっちに依存されたのか、原因はわからないけど、とにかくぼくは意外に沈着だった。
ぼくは袋を開けて二つ目のアイスを出すと彼女に突き出した。
「はい、これで君も共犯者だ」
彼女は袋の中をちらりと見た。
「三つも買ったの?」とゆかりはクスクスと笑いを漏らした。