本気でハマった女
『魁くん?私のこと…好きって言ってくれたけど…。私なにもいいところないよ?』

『それは、実夢がわかってないだけやろ。俺は、実夢のこと見てきたつもりやで?いいところも、悪いところも全部愛おしいと思ってる。』



俺は、そんなことを話したことがない。
好きとか愛してるとか、ほんまたまに実夢が不安な顔してる時か気が向いた時にしか言わへんかった。
実夢がいつも不安を抱えていたことを知っていても言えへんことやった。
俺のこと信用してへん訳じゃないことも判ってるんやでぇ?
実夢が考えすぎる性格で、ほんまはホストなんてして欲しくないことやって分かってるんやで。
亮に恩返ししないといけないから我慢してんのも…。
今回のことで俺も力になりたいと思ってたことも分かってくれたから説得しに来てくれたことも。
言葉じゃ伝えられないくらいほんまに好きやねん。
今言わな実夢が恭平に取られてしまう。
それだけは、いややねん。
俺を理解し、ついてきてくれるのは実夢だけやから…
恥ずかしいやん…男が、好きやでなんてばっかり伝えんのも。
俺不器用やから…うまく伝える自信がないんやで。
なあ…ほんまに愛してるで。


俺は実夢の頭をなでた
今以上のことを言っても実夢が今付き合ってると思ってるのは、恭平やから。

『魁くんの手…』
実夢はそう言って俺の手を頭から下ろし、両手で握った。

『魁くん…私魁くんのことなにか忘れてるのかな?ここ2日夢を見るの。でもそれは恭平の手じゃないこと分かってるんだ…でも、私が今付き合ってるのって恭平で…なんかおかしいよね。その手の人って今魁くんな気がしちゃって…あれ?なんか、勝手に涙がでてきちゃった笑』

『なぁ?無視して思い出そうとしなくていいで?確かに忘れてることあるで?思い出してほしいと思う。でもな?俺は、実夢が大事やから待つで。もし思い出せんかったら、俺のこと好きにさせてみせるまでやし。』

『……』
実夢は、なにか考えて黙り込んだ。
その時まきのヘルプに着いていた従業員が俺を呼びに来た。
まきは、実夢以前飲みたがっていたから席から絶対に見えない位置に実夢を座らせている。
帰りは亮と帰させるから、最後やから会うことはないやろう。

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