ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
ワンが近い、だけど顔は見えなくて。
きっと、あたし達はこんな感じ。
隣にいるのに、なんだか見失いそうで。
暗闇にいるのと一緒だ。
「オレ、モテるとかよくわかんないけど、モテるなら稀衣ちゃんにがいい」
?!
「あたし…?」
「ウン!」
…そっか。
そうだ。
ワンはこういう人なんだ。
たった一言で、あたしの不安なんて簡単に吹き飛ばしちゃう人なんだ。
「やっぱり分かってないよ」
あたしはワンの手をそっと握った。
暗くて見失いそうなら、手を握ればいいんだ。
離れていきそうになっても、大丈夫なように。
「とっくにモテモテだっつーの」
多分、初めて会ったあの日から。