ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
そういった竜は、オレの手から潰れた缶を奪い、立ち上がってごみ箱に捨てた。
お礼を言いながら、頭では竜の言ってる意味を考えた。
オレが普通でなくなるのは、当たり前のこと、なのかな。
「稀衣ちゃん、オレ見てた?」
「俺はそう思ったけど」
最近、稀衣ちゃんと一緒に帰ってない。
帰ってないどころか、まともに顔を合わせてすらいない。
大場さんの怪我は、オレんせいでもあるから、正直ほって置くことなんてできない。
でもこんなアイビキみたいな事を続けているうちは、稀衣ちゃんと会っても同じ事を繰り返してしまう気がして。
会うのを避けてしまった。
大場さんにばかり気をつかってるオレは、ショボイ男だ。
「オレ、そんな頼りないのかな」
稀衣ちゃんはいつも、1人で悩んで、1人で困って、1人でなんとかしようとするから。
オレが気が付かないうちに。