ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~



え…チチ?!(←下ネタではない)



「お、お父さん?!」

「えぇ。離婚してるから、滅多に会うことはなかったけれど」



オーナーがお父上だったなんて。



そしてオーナー、バツイチだったのかよ。



「なんで1年前にすぐしなかったんだよ?」

「1年前は、私も動揺していたし。1番喜んでくれた父に、合わす顔がなかったのよ。でも今日、やっと来ることが出来た」



人間の心の傷というものは、なによりも繊細で、なによりも複雑であるのだろう。



彼女のおった傷もまた、深くて根深いものとなっている。



俺に、癒せる力はきっとないだろう。



「ふーん、そっか…」

「………」

「……なに?」

「聞いてきたくせに、ずいぶん適当な返事ね」

「そう?」

「あなたが“ふーん”って相槌をうつ時は、大概興味のない時だわ」

「よく分かってんじゃん、俺のこと」

「自分の話しは、そうやってすぐ反らすのよ」

「………」

「………」

「…確かに興味ない」

「だったらどうして…」

「他の男を好きなアンタには、なんの興味もない。俺が興味あんのは、今目の前にいるアンタだけ」



過去があって、傷をおって、それで今があるというけれど。



実際、過去は過去であって、戻ることも不可能なわけで。



だったらもう、目の前の現在だけに夢中になったっていいだろ?



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