ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
たった今、会わせないようにしようって、言ってたのに!
なんでもう、一緒にいるんだよ?!
「あの…誰?」
稀衣ちゃんが、戸惑っている。
「マコの弟だよ」
オレの代わりに、純ちゃんがそう説明した。
「おい正、なんでここにお前がいんだよ?マコになんか用か?」
「マコ兄、稀衣ちゃんのことあんまり教えてくんないから、自分の目で見てやろうと思ってさ」
「お前っ、だからって高校にまで来んなよ!目立ってるじゃん!」
オレ達の周りは、小さな人だかりが出来ていた。
「学ランだ、中学生?」
「誰かの弟?」
「他校じゃない?」
「大人っぽいしね」
「あの人(佐倉)の弟でしょ、カッコいいし」
学ラン姿の正が珍しいのか、下駄箱がざわつき出す。
やばい…騒ぎになると面倒だ。
「稀衣ちゃんさ、間近で見てもすっげー可愛いじゃん!肌もキラーだし、髪の毛もツヤツヤだし」
「間近で見んな!(オレだってそんな見たことないよ!)」
「マコ兄ずりーよ」
「いーから、お前自分の学校行けよ!遅刻すんぞ!」
「あーはいはい。じゃ、稀衣ちゃんまたね」
そう言って正は、走って帰っていった。
あれは絶対遅刻だよ。
「…ごめん、稀衣ちゃん」