ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
たまに、そういう表情(かお)するから。
あたしの心臓は、忙しい。
「知らなかったでしょ?こんなこと」
ワンは、あたしの顔をのぞき込む。
「し…知るわけないよ、そんなの」
なんだか妙に照れてしまうのは、ワンがいつもより大人びてるから?
「顔…赤いよ?」
ワンの指先が、頬に触れた。
あたし達の足が止まる。
「…誰のせいだと思ってるの」
あたしの頬を染められるのは、1人しかいない。
「オレ」
世界で1人。
君だけにしか、出来ないこと。
「オレだけにしか、出来ないもん」
そう言い直して、ワンはあたしに顔を近づけた。
すでに薄暗くなった寒空の下、唇が重なる。