ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
「……げ」
……げ?
そうワンが呟くから、何かと思って目を開ける。
「稀衣ちゃん、隠れて…!」
は?!
そう思った時にはもう、あたしはワンに引っ張られて茂みの中にいた。
「ちょ、なに…?!」
「しーーっ!」
そう言って、人指し指を口に当てるワンの視線を追うと、
「正くん…?」
学校帰りらしい、正くんの姿。
隠れているこの状況になのか、ワンと妙に密着しているからなのか。
あたしの心臓は、ドキン、ドキンと加速を始めている。
正くんは、あたし達の前を順調に通り過ぎる。
よ、良かった、バレてない…?
あれ、そう言えば。
「ワン、なんで隠れるの?」
別に弟なんだし?
「それはだってさ…」
そう言うとワンは、あたしの髪を耳の後ろへとかきあげる。