ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
「忘れ物って…どこに?」
「いや、稀衣ちゃんに」
あたし?
わけの分からないことを言う正くん。
そのままあたしに近付いたかと思うと、いきなり顎をつかんだ。
――――“ぶちゅっ”
「………」
……は?
正くんは、あたしの顎をしっかりとつかんで、キスをした。
「ちょっと、離して…っ!?」
中学生だけど男の子だけあって、あたしよりは力が強い。
「………あ」
あたしの背後から、ものすごい気迫を感じる。
確認するまでもなく、ワンだ。
あたしを追ってきたんだ。
見られた。
「…正。お前帰ったら容赦しないかんな」
――――“ドスッ”
そしてワンは、あたしを軽々と担ぎ上げた。
「きゃ…?!」
速すぎてよく見えなかったけど、ワンの一撃をくらったらしい正くんが伸びていた。
あたしを担ぎ上げたままワンは、学校へと戻っていく。