ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
「そうやってワンは、いつもあたしを振り回すよね」
出逢ってから、今日まで。
あたしはこの犬に、振り回されっぱなしなんだ。
だけどそれを選んだのは、ほかの誰でもなくあたし。
一緒にいることを、望んだのはあたし。
「ワン」
「ん?」
「ごめんね」
あたしが隙を見せていいのも。
無防備になっていいのも。
ワンだけなのに。
「なんで稀衣ちゃんが謝るんだよ」
「正くんとのことは、あたしが悪かったと思うから」
「ち…違う!あれは正が悪いんだから、稀衣ちゃんのせいじゃない…!」
「だけど…」
――――“ぎゅっ”
次の言葉を、ワンは許してはくれなかった。
学校の廊下だというのに、強くあたしを抱き締めて、離そうとしない。
弟に彼女の唇を奪われるというのは、やっぱり相当堪えたのかな。