ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
でもその君が、なにかを必死に耐えているのなら。
今度はあたしの番だ。
「ワン」
呼んでもワンは、こっちを見なかった。
少し胸がチクっとして、寂しい。
「…あたし、ここにいるよ」
ワンの隣に、ピタリと肩をくっ付けて座った。
「なにかあった時は頼ればいいんだって、ワンがあたしに教えてくれたんだよ?」
触れた肩から、伝わる体温。
それだけで、こんな状況だけどいくらか安心できた。
ワンにとってあたしも、そうであってほしいと思った。
「…オレ、穴の中ってダメなんだ」
しばらくの沈黙の後、ようやく口を開いたワンは、小さな声で話し始めた。
「昔、事故に遭った時さ」
「うん」
その事故でワンは、大得意のスポーツを今でも制限している。
「その時、オレをかばった人がいたんだ」