鬼守の巫女

「そうだな。かなり状況は厳しいものになるだろう」

「それでも行くしかないだろ?」

父の呟きに火伏さんはそう返すと、真っ直ぐに魏戎を見つめる。

「まずは火伏家の石を狙う。土地勘も有るし、内部の作りも分かってる。一番奪い易い所だと思うけど?」

「……いいだろう」

火伏さんの問いに魏戎はニヤリと笑って答えると、それから皆で他愛も無い話をしながら……束の間の穏やかな時間が過ぎて行った。
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