夜空に咲く僕たちの願い
頭の中の回転数がさらにスピードを増しフリーズしそうだった。
渓斗の言葉に心がまた割れた。今のできっと完全修復不可能となっただろう。
流れる涙が風で乾いていく。
その乾いていく涙の温度が気持ち悪さを与えた。
「…お前、なんて?」
渓斗は下を一呼吸した。
そして真っ直ぐ俺を見つめた。不思議とあの夜の日の弱虫だった渓斗はいなかった。
渓斗の瞳は透き通っていて輝いている。
「実は…俺…知ってたんだ」
「…は?いきなり何だよ。知ってたって何?いつから?」
聞きたいことが山積みでどこから聞いたらいいのか分からない。
俺と瑠花の事情を渓斗は知っていたことに渓斗の信用さも無くなりそうだった。
「…知ったのはあの天体観測する夕方。家に帰ったら母さんと俊介のおばさんがいて…盗み聞きしたんだ」
渓斗があの真実に触れたのは天体観測をすると約束した日だった。
そして性同一性障害のきっかけとなった日でもあった。