誘拐 ―おまえに決めた―

「最初は自分たちのせいで、親を失わせてしまったという罪悪感もあったのかもしれない。

ただきょうだいがいない俺には、妹のようだったし可愛く思ってた。マイも俺のお嫁さんになるなんて言ってたしな」


憎らしい笑みを浮かべて、リクは私の頬を突っつく。



その指を無下に振り払い

「覚えてない」

と、わざとぞんざいに答える。


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