誘拐 ―おまえに決めた―

にっこりほほ笑むと、リクは私を強く抱きよせまた唇を覆ってきた。


「んんっ!?」

リクは舌で口腔をなぞる。


「はあっ」

予想外に長いキスに息ができない。

喉を唾液が伝う。



リクの舌の感覚に、足に力が入らない。

「あっ」



ふと身体が離れたかと思うとそのまま抱きかかえられ、床に寝かされる。



「マイ、背中痛くない?」

「あの小屋ではずっと床に寝かされてたから、もう慣れた」

「だよね」

笑いあう。



リクの視線が痛い位に熱い。

私の身体がすっぽりリクに覆われる。



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