JKママ





裸足の足であたしは地面を踏み締める。


擦れてとても痛い。






どれくらいこうして町を彷徨っているだろう。


携帯も何も持って来なかったあたしには時間さえ分からない。




時間が過ぎるのが遅く感じる。未だに涙は止まる事を知らない。






病院のベットの上で苦しそうに息をする母が脳内に蘇ってくる。

病気と闘う母の隣にいつもいたのは父。




何故、あんななよなよした奴と再婚なんか。あたしには父が憎々しく思えた。






「父さん……、お母さんを忘れちゃったの……?」


虚しく呟く。返答は勿論無い。




唇を噛み締め、震える拳を握る。何かに八つ当たりをしたかった。
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