JKママ
いつもはお店の閉店時間の10時まで自宅の方に戻ってくる事のない父が今日の帰りは早かった。



あたしが作ったお粗末な夕食をテーブルを囲み兄弟皆で食べていると、父がリビングに入ってきた。
そそくさと引き戸を閉める。




「あれ、父さん今日は早いじゃん。」

詩音が吃驚気味に言う。弟達も驚いている。



「詔に聞いていただろ、今日の夜、大切な話があるって。」

「……ああ、そい言えばそんなこと言ってたね。」



あたしはもぐもぐと炒飯を口に押し込む。


「え、でもさ、それにしては早いじゃん!夜って仕事の後かと思ってた。」

「おれも。」


陽斗も頷く。



「父さんがこんな早いなんて、まじ珍しいじゃねえの?」

大好きな父に飛びつきながら、海斗は大きな腕の中で言った。小さく笑んだ後、息子を床へと下ろすと、その目つきは真剣なものになる。



「まあ、お前達皆そこに座れ。」



あたしたちは疑問符を頭の上に浮かべながら言う通りに座り、一列に並びテーブル越しに向こう側に立っている父を見上げた。
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