19の夏~私の愛した殺人鬼~
「その男、怪しいだろ」
「へ……? そうですかねぇ?」
「どう見ても怪しいだろう。待ち人来たりだ」
電話で新田にそう言われても、藤堂はピンとこない。
この受付の男が待ち人?
そんなわけがないのだが、警部である新田がそう言うならばそうなのかもしれない。
首を傾げつつも、新田にそう言われるとなんだか怪しく見えてくるから不思議だ。
そういえばこの男、夏だと言うのにやけに厚いスーツを着ている。
それに、さっきのあの笑顔。
人が死んだというのに絵に書いたように爽やかに微笑み、白すぎる歯を覗かせていたのだ。
怪しい。
確かに、怪しいぞ。