19の夏~私の愛した殺人鬼~
「お前は一応女なんだぞ? こんな夜中に一人で出歩くな」
栗田に軽く頭を叩かれて、頬を膨らませる。
一応ってなによ、一応って。
昔からの知り合いのため、紗耶香と栗田の関係がグッと近いように見える。
こんなことを言うと藤堂がまた嫉妬しそうだが、二人で座っている所を見るとおにあいだ。
「死んだら星になるって、嘘だよねぇ……」
視線を夜空に浮かぶ星へと向けて、不意に紗耶香がそんなことを言い出した。
栗田も、それにつられた夜空を見上げる。
満点の星空が木々の葉の間から見え隠れし、時折吹く風で葉の表面がキラキラと光って見える。
天使でも舞い降りてきそうな、綺麗な空だった。
「死んだら、どこへも行けないよね」
呟くように言う紗耶香に、
「そんな事ないよ」
と、栗田が言った。