19の夏~私の愛した殺人鬼~
「星になるっていうの、本当だと思うよ? 僕は」
優しいその言葉に、隣の栗田を見る。
瞳の奥の黒目が、紗耶香の顔を映し出した。
二人の顔が自然と近づき、目を閉じる……。
「誰だ!?」
突然の栗田の声に驚き、紗耶香はハッと閉じた目を開けた。
「なに?」
「今、誰かいた」
現場の更に奥を懐中電灯で照らしながら、栗田が険しい口調で言った。
紗耶香は栗田の背中に身を隠しながら、片手で携帯電話を開ける。
いざというとき、すぐに警察へ知らせるためだ。
「犯人は現場へ戻ってくるって言うわ」
背中越しに爽香にそう言われて、
「わかってる」
と、返事をする。
しかし、ずっと暗闇を照らし出していても、何かがいる気配はない。