たぁ坊とるぅ *32page*



次の日もまた雨。

しとしとしとしとと、
ねちっこく降る雨。


長靴に傘、ウェアーに、
ラケットとシューズ、

それからちゃんと

スポーツドリンクとタオルも持ってきた。


500ミリリットル入るピンク色のボトルが、ちゃぽちゃぽしてる。



「おーい!るーぅー」



駅の屋根の下で

手をブンブン振ってるあのノッポさんは

まさしく‥



「何このスカートぉ♪」

「や、着替えやすいように‥」



室内コートに行くんなら早く打ちたいし。

だから、着替えやすいスカートを履いてきたわけです。



「ふりふりミニスカ!ん、合格♪」

「うわっ、ちょっと!」


なんだかやたらとテンションの高いランちゃんに手を引かれ、改札をピッと通る。



「どこ行くの?」

「行きゃわかるって。ちゃんと応援してやるんだよ?」



大人っぽいランちゃんがふんわり笑うと、なんか、ふっと落ち着く。

私はそのまま、雨が降る街並みを見ながら、

黙ってユラユラ揺られることにした。



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