キミがいたから~Thank you~
――学校――
はぁ…来ちゃった…。
教室の中の眞凛の机の上にはいろんなものがおいてあるんだろうな…
――ガラガラ
「・・・・・・・・・。」
騒がしかった教室もあたしが入ると静かになる
そして、一人の女の子が話しかけてくる
「おはよー、眞凛ちゃーん♥早く席つこうね?」
「………」
眞凛の机と椅子には牛乳が撒いてあった
「あれー?なんで座らないの?」
「…どうみても、座れないし…」
「あー、そっかー、雑巾で拭かないとねー。恵莉茄ー!!雑巾もってきてー」
「んー、投げるよーっ!!」
――ベチャ
眞凛の頭の上に雑巾が乗っかった
「あー、ごめんねーわざとじゃないんだよー?」
「恵莉茄ー、何してんのー?」
「手が滑っちゃった☆ごめんねー、まりんちゃん♥」
「っ…」
悔しい思いを胸に抱きながら頭に乗っかった雑巾を持った
そして、この子はいじめグループのリーダー的存在…
倉木恵莉茄(くらきえりな)
元、眞凛の大親友
「あ、恵莉茄ーC組とここ、A組に転校生くるんだってー!!!」
「まじ!?男子かな?イケメンかな?イケメンだったらほれるわぁ(♡´3`)/」
恵莉茄は眞凛の彼氏をとった…
でも、すぐに別れたらしい…
男たらし…
「あ、眞凛ちゃーん、それ、自分で拭いてね」
「…言われなくても拭くし…」
恵莉茄に聞こえないように呟く

――ガラガラ
「席つけよー!!…あれ?重岡…」
「眞凛が牛乳飲みたいって言ったんで、もって言ったらバカしてこぼしちゃったから自分でふいてるんだよねー?眞凛」
「う、うん」
「気をつけろよ?早速だが転校生を紹介する
 塚本、入れ」
転校生なんて、眞凛には関係ない…
どうせ、その転校生も眞凛のことをいじめる…
眞凛はかってに決め付けていた…
そして、雑巾を洗いに教室を出ると、教室に入らずに
眞凛を見てる。
そんなに見られても困る。眞凛は睨むように相手を見た
すると…
「おはよ、これから宜しくね。俺のことは祐哉でいーから♪」
優しく微笑みながら言うと、祐哉は教室の中へ入っていった

――塚本祐哉――

「いい人っぽい…」
眞凛から見る祐哉は、手の届かない、高いところにある、雲のようだった…
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