1970年の亡霊
 街灯に照らされた襲撃者の顔は、病的な程に青白く、目だけが異様に光っていた。

 馬乗りになって来た襲撃者の右目に、三山は左手で目潰しをしようとした。

 簡単に交わされた。

 ニヤリと不気味に笑みを浮かべた襲撃者が、三山の首に両手を回した。

 喉に圧迫感を感じたと同時に、三山は死を意識した。

 涙で襲撃者の顔が滲む。

 必死でもがくが、力が少しずつ抜けて行く。

 呼吸が苦しくなり、意識が遠くなった……。

 突然、加えられていた自分への重みが消えた。

 襲撃者と誰かが揉み合っている。

 幾つもの怒号が三山の意識を揺さぶった。

 薄れ行く意識が、ぶり返して来た身体の痛みで戻って来た。

「ゲ、ゲホッ、グゥワ……」

 吐き出した息と同時に、胃液が込み上げて来た。

 三山は身体を捩り、その場から少しでも遠ざかろうと転がった。

 揉み合っていた人影の一つが、悲鳴を上げて倒れた。

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