Broken†Doll
「お嬢様、本日のスケジュールをお聞きになりますか?」

朝からそんな話は全然聞きたくないが、エレナにはスケジュール帳をいちいち確認する暇もない。

「はい、お願いします」

「畏まりました。それでは、この後の朝食をいただいた後、輝明様の本社の方へと向かい、午前はずっとお仕事でございます。
その後少しばかり勉強をして‥‥‥‥‥小一時間程ばかりかと思います。
そしてまたお仕事の方へ‥‥‥‥‥‥。今日は車での移動が多いので、お早めに行動をお願いします」

今日も一日忙しいようだ。

「有難うございます。すぐにでも朝食を食べに行きますので、準備が出来次第呼んで下さいね」

「あ、それではお着替えなどのお支度の方を、お手伝いいたしましょうか?」

「いいえ、大丈夫です」

アキコは一礼をして足早に部屋を出て行った。

「‥‥‥‥‥‥」

エレナは窓から覗く青空を見る。


―――誰も自分の事を解ってくれない。

―――解ろうとしていない。

本当の笑顔や心を忘れてしまった自分を知る人は、一体何人いるのか…。

「エレナ」を知る者はきっといないだろう。

「今更の話ね……」

エレナは用意されている真っ白なワンピースに着替え、自分の部屋を出た。

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