花の名


視線が絡み合う。




ドキン…




胸がキュッて捕まれたみたい。


苦しいけど、嫌じゃない。




「千尋がアミとのことにヤキモチやいてくれたって」




ヤキモチ…?




「千尋がちょっとでも俺のこと好きになってくれてるって」




…好き




なんだろう


なにかがこみ上げてくる




「って、なに泣いて!?

 もしかして嫌だったか?」


「違うの!

 上手く言えないけど、嫌じゃなくて」


嫌なんかじゃない。


だって、あたしは


あたしは……




「西浦くんが…




 圭吾くんが好き




 なの」




キュッと下唇をかみ、泣かないように頑張ってたけど、彼の腕の中に包まれた瞬間、また涙があふれ出した。






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