ゴシップ・ガーデン
でも、何でもないように
ヒオカ先生は身体を離して、
あたしの手をとった。
とくん、と心臓がはねる。
引っかいた手を見たら、
じわっと血がにじんでいた。
いくらもの静かでも
男の人なんだってこと実感。
あんなに焦ったヒオカ先生は
はじめて見た。
今は、平静と
あたしの手当てを
してくれている。
保健室で二人きり。
「大丈夫?」
「これくらい、
たいした傷じゃないから
大丈夫だよ」
あたしは努めて
何気ないふうを
よそおいながら言った。
ほんとは、
触れたとこから、
鳥肌立って、
ザワザワと
落ちつかないんだけど、
悟られないように。
だってほら、
先生普通なのに、
あたしだけ
意識してたら変だし。
「念のためにも、
きちんと消毒しといた方がいい」
そう言ってヒオカ先生は
丁寧にばんそうこうを
貼ってくれた。
「バラの枝は
トゲがあるから
触らないようにね」
“先生”みたいなことを言う。
ヒオカ先生は身体を離して、
あたしの手をとった。
とくん、と心臓がはねる。
引っかいた手を見たら、
じわっと血がにじんでいた。
いくらもの静かでも
男の人なんだってこと実感。
あんなに焦ったヒオカ先生は
はじめて見た。
今は、平静と
あたしの手当てを
してくれている。
保健室で二人きり。
「大丈夫?」
「これくらい、
たいした傷じゃないから
大丈夫だよ」
あたしは努めて
何気ないふうを
よそおいながら言った。
ほんとは、
触れたとこから、
鳥肌立って、
ザワザワと
落ちつかないんだけど、
悟られないように。
だってほら、
先生普通なのに、
あたしだけ
意識してたら変だし。
「念のためにも、
きちんと消毒しといた方がいい」
そう言ってヒオカ先生は
丁寧にばんそうこうを
貼ってくれた。
「バラの枝は
トゲがあるから
触らないようにね」
“先生”みたいなことを言う。