ゴシップ・ガーデン
バラにトゲがあるのは
知ってたけど、

うっかり触っちゃった
あたしが悪いんだけど、

でもさ…。



「…でも、先生!
ヒドイじゃん、あれ!!」




あたしたちは
倒れたバラの前に戻った。



たぶん、あたし、
しかめっつらしてる。



ヒオカ先生の顔見たら、
平然としてる。

軍手をして、
ハサミで折れたバラを
切り出した。



あたしは何だか
くやしくなった。


「先生は何で怒んないの?!」



「…仕方ないよ。
公共の場で育てるんだし。
わざとって訳でも
ないんだろうし」


パチン、パチンと
切られていくバラ。


せっかくキレイに
咲いてるのに。



だからイヤだったんだ。


たくさんの人の目に
触れることが。


わざとじゃないにしても、

みんながみんな
人が大切にしているものを
大事にするとは限らないから。





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