亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~
こんな扉、ぶち壊してしまおうか…とも思ったが、如何せん。……あのノアの魔法陣である。弱りきったリストの力如きで壊せる筈が無いだろう。……と、なれば…脱出口は一つ。
…ノアの魔力が何故か、その部分だけ欠落している……窓だけだ。人一人がくぐれるくらいの大きさの窓に視線を移せば、外で真横に吹き続ける吹雪の白一色。
……あの窓だけ、ノアの邪悪な魔力が感じられない。つまり、部屋から出たいのならばどうぞ出て下さい、外へ…ということなのだろう。
あいつ、一々腹が立つな、本当に。
「……おいじゃじゃ馬、動けるか…?………勿論、動けるな?……外に、出るぞ…」
動けないのならば置いていく、と言わんばかりにイブには目もくれず、窓枠に手をかけるリスト。「…こんな可愛い美女を置いていくなんて……………凍死して死ねばいい…」とか呟き声が聞こえたが、そこは完全無視を決め込む。
……途端、何の前触れも無く…足もとの揺れが酷くなった。
目が覚める前から続いていた、この地震。一体何が起きているのかさっぱり分からないが……この地震、単なる自然現象ではない。
…魔力の気配がする。……それも、獣の、原始的な魔力の臭い。
城の外に、何かいる。地震の元凶となる何かが、この窓の向こうで暴れ回っている。
(……とにかく、まずはここから出てから…だな…)
リストは勢いよく窓を開け放った。
唐突に生じた室内に通じる隙間に、我先にと冷たい風が入り込んでくる。純白の雪と、風の歌声と。
黒ずんだ、魔力の嵐が。
……思っていた以上に、外は酷い有様だ。この目に見える程濃い魔力の風は…凄まじい負のエネルギーを孕んでいる。たいていの黒の魔力には耐性がついているつもりだったが…これは、いけない。悪寒が走る。吐き気がする。この嵐の中を歩くなど……人間ならば、即死してしまうだろう。
「………うえっ………空気…超、悪い…じゃん…」
「吐くなよ。………よっ…と…」
…ノアの魔力が何故か、その部分だけ欠落している……窓だけだ。人一人がくぐれるくらいの大きさの窓に視線を移せば、外で真横に吹き続ける吹雪の白一色。
……あの窓だけ、ノアの邪悪な魔力が感じられない。つまり、部屋から出たいのならばどうぞ出て下さい、外へ…ということなのだろう。
あいつ、一々腹が立つな、本当に。
「……おいじゃじゃ馬、動けるか…?………勿論、動けるな?……外に、出るぞ…」
動けないのならば置いていく、と言わんばかりにイブには目もくれず、窓枠に手をかけるリスト。「…こんな可愛い美女を置いていくなんて……………凍死して死ねばいい…」とか呟き声が聞こえたが、そこは完全無視を決め込む。
……途端、何の前触れも無く…足もとの揺れが酷くなった。
目が覚める前から続いていた、この地震。一体何が起きているのかさっぱり分からないが……この地震、単なる自然現象ではない。
…魔力の気配がする。……それも、獣の、原始的な魔力の臭い。
城の外に、何かいる。地震の元凶となる何かが、この窓の向こうで暴れ回っている。
(……とにかく、まずはここから出てから…だな…)
リストは勢いよく窓を開け放った。
唐突に生じた室内に通じる隙間に、我先にと冷たい風が入り込んでくる。純白の雪と、風の歌声と。
黒ずんだ、魔力の嵐が。
……思っていた以上に、外は酷い有様だ。この目に見える程濃い魔力の風は…凄まじい負のエネルギーを孕んでいる。たいていの黒の魔力には耐性がついているつもりだったが…これは、いけない。悪寒が走る。吐き気がする。この嵐の中を歩くなど……人間ならば、即死してしまうだろう。
「………うえっ………空気…超、悪い…じゃん…」
「吐くなよ。………よっ…と…」