亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~
………いずれ来るであろう夜明けの訪れが、何だか…怖かった。
その時が来れば、ユノとサリッサの親子とは……別れなければならない。
最初の狩人が受けた依頼通り、二人をこの神声塔まで無事に送り届けた。
……契約した内容の、依頼人とのそれ以上の同行は禁止されている。
あくまで双方は、契約で繋がっただけの依頼人と狩人。
その互いの本質は似ても似つかぬもので、本来ならば関わってはいけない存在同士なのだ。
……ユノ達は、これからの旅の方が更に難を極めるに違いない事は必至。
………それを分かっていながら、掟といえども手を貸してやれないのが…何とも悔しかった。
依頼を受けれるのは成人の狩人のみ。しかも、一度受けた依頼は変更が利かないと厄介だ。
………前の狩人に代わって依頼を受けたザイは、もうユノ達には何もしてやれないのだ。
黙って彼等の去り行く背中を見詰め、幸運を祈るしかない。
………今までにも、こういった街の人間の護衛を受け持った事は何度もあった。
別れが来ても特に何とも思わなかったし、依頼人の顔も名前もとっくの昔に忘れた。
………しかし、何故だろうか。
………今回はその慣れている筈の別れが………。
(………………嫌…だな………)
どうしても別れねばならないのだろうか?
どうにかならないものか?
もう会うのはこれっきりなの?
夜明けなんかこなければいいのに。
………。