亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~


「………………違う……違うもん………ユノがこうなったのは……全部……全部…………………僕の、せいだ」

わななく唇からは、悲しみだとか、怒りだとか……様々な情念が渦巻く彼の言葉が溢れ出す。
それは何処か弱々しく、怯えている様にも聞こえるが……内なる決意の姿が、見え隠れしていた。

「………因果とか……運命とか…いくらでも言えるけど………こればかりは違うんだ…。………僕のせい……皆……僕のせいだ…!」

「………何を言って…」

「…だって…!」


……人間らしい暖かみが感じられないユノを背中におぶったまま、レトは自分の胸元に視線を下ろした。

他人からはマフラーとマントに隠れて見えないが……レトの視線の先には、確かに、ある。

……忘れもしないあの日……ユノと交わした、証石の白い貝殻。紐を通し、首飾りにして大事に持っている。

ユノの首にも、その片割れがかかっていた。




………そうだ……僕は…。















「………約束したんだ。………絶対…絶対…絶対に、絶対に………ユノを守るって……僕が、ユノを守るって………約束したんだ…!」

………聞き慣れない、レトの大声。
…ザイは勿論の事、サリッサも、アルバスさえも、ただ呆然とレトを見詰めるばかりだ。

そんな彼等の前で、レトは溢れる思いを吐き散らし続ける。
胸の辺りで渦巻く奇妙な痛みと、背中に抱えた動かぬ友の重みを感じながら。




「僕が、約束した。……僕は……約束したんだ…。………でも………結局…………ユノは、危ない目にあった。………僕が…側にいたのに……なのに……………………僕のせいだ…」

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