亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~


馬鹿デカい。

巨大な何かが…この谷底から這い上がった地上の、そのまた上の……遥かな高みから……………来る。


「……嫌な感じを通り越して………嫌々な感じ…」

「お前、もっと語彙力を養え。……下らない事を言っている場合じゃねえぞ…」

「…可愛いイブちゃんに表現力なんか要りませーん。いるだけで輝いてるから…」

谷の割れ目から見える真っ白な空を見上げたまま、二人はポツリポツリと会話を交わし……静かに、身構えた。



嵐の前の、静けさ…とでも言うべきか。


……この沈黙が……不気味に思えて仕方ない。








吹雪が、止む。





ふわりと、雪が舞う。





風が、立ち止まる。





青い瞬きが……音も無く、空一面に忍び寄る。









疼く腹を抱えた孤高の風は、時の訪れを感じて……目を覚ます。






風は。




嵐は。














「―――…僕はもう…子供じゃないんだ!!」























嵐は




産声を上げた。


































< 665 / 1,521 >

この作品をシェア

pagetop