亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~
馬鹿デカい。
巨大な何かが…この谷底から這い上がった地上の、そのまた上の……遥かな高みから……………来る。
「……嫌な感じを通り越して………嫌々な感じ…」
「お前、もっと語彙力を養え。……下らない事を言っている場合じゃねえぞ…」
「…可愛いイブちゃんに表現力なんか要りませーん。いるだけで輝いてるから…」
谷の割れ目から見える真っ白な空を見上げたまま、二人はポツリポツリと会話を交わし……静かに、身構えた。
嵐の前の、静けさ…とでも言うべきか。
……この沈黙が……不気味に思えて仕方ない。
吹雪が、止む。
ふわりと、雪が舞う。
風が、立ち止まる。
青い瞬きが……音も無く、空一面に忍び寄る。
疼く腹を抱えた孤高の風は、時の訪れを感じて……目を覚ます。
風は。
嵐は。
「―――…僕はもう…子供じゃないんだ!!」
嵐は
産声を上げた。