亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~
パイを頬張るユノの口から出るのはどれも棘のある言葉の数々ばかりで、身分の上下関係を一応はわきまえているリストもさすがに苛立ち始めた。……王族の王子様かもしれないが、よく考えたら自分の主でも何でもないではないか。…へこへこと頭を下げ続ける必要は無いと言ってしまえば…無い。
睨む様な目つきでじっと見てくるリストに対し、ユノはフォークを握ったまま指さした。
「…何?…その不愉快そうな顔はなにさ。いい大人がカリカリしちゃって。あっという間に禿げちゃうよ。子供相手に怒るのやめてよ」
「あのなぁ…!子供の戯言にも限度が…!」
「あたしまだ13歳だから大人じゃないもーん」
「……嘘ぉっ!?」
突如割り込んできたイブの年齢発言に、ユノは目を丸くして驚愕に満ちた声を上げた。…傍にいるレトも、イブを見詰めたままポカンと呆けている。
信じられない…とでも言うかの様に、二人の少年は揃ってどやどやとイブの前にまでやって来た。ニマニマとにやける彼女を見上げ、ユノはビシッと指さす。
「……嘘だ!!13歳!?偽証はいけないよ、特に年齢は!!こんなどう見ても十代後半くらいの人が……13?…え、本当?」
「嘘じゃないもーん。イブちゃんはぴっちぴちの13歳の乙女だもーん!この肌の艶が物を言ってるじゃん」
……納得出来ない…と、呆然と見上げるユノ。レトにも訊いてみるが、ぼんやり眼の友人からは、「………この人の…目……嘘、吐いてない…」としか返ってこなかった。明らかに聡明な自分よりも幼稚で馬鹿そうな、実は年齢はさほど変わらない彼女を再度見上げ…ユノは、溜め息を吐いた。
「……こんなのがたったの二つ上…」
「こんなのって何よこんなのって」
何かに酷く落胆するユノを、何となく励ましながら…レトは不意に部屋の壁に寄り掛かっているリストを見やる。…高低差のある互いの視線が、ぶつかった。
「………」
「………」
「……あの、ひょっとしてお兄さんも…」
「15だ!!俺は15だ!!15だからな!!言ったぞ!!15だ!!そこのじゃじゃ馬を見る目で俺を見るな!!」
睨む様な目つきでじっと見てくるリストに対し、ユノはフォークを握ったまま指さした。
「…何?…その不愉快そうな顔はなにさ。いい大人がカリカリしちゃって。あっという間に禿げちゃうよ。子供相手に怒るのやめてよ」
「あのなぁ…!子供の戯言にも限度が…!」
「あたしまだ13歳だから大人じゃないもーん」
「……嘘ぉっ!?」
突如割り込んできたイブの年齢発言に、ユノは目を丸くして驚愕に満ちた声を上げた。…傍にいるレトも、イブを見詰めたままポカンと呆けている。
信じられない…とでも言うかの様に、二人の少年は揃ってどやどやとイブの前にまでやって来た。ニマニマとにやける彼女を見上げ、ユノはビシッと指さす。
「……嘘だ!!13歳!?偽証はいけないよ、特に年齢は!!こんなどう見ても十代後半くらいの人が……13?…え、本当?」
「嘘じゃないもーん。イブちゃんはぴっちぴちの13歳の乙女だもーん!この肌の艶が物を言ってるじゃん」
……納得出来ない…と、呆然と見上げるユノ。レトにも訊いてみるが、ぼんやり眼の友人からは、「………この人の…目……嘘、吐いてない…」としか返ってこなかった。明らかに聡明な自分よりも幼稚で馬鹿そうな、実は年齢はさほど変わらない彼女を再度見上げ…ユノは、溜め息を吐いた。
「……こんなのがたったの二つ上…」
「こんなのって何よこんなのって」
何かに酷く落胆するユノを、何となく励ましながら…レトは不意に部屋の壁に寄り掛かっているリストを見やる。…高低差のある互いの視線が、ぶつかった。
「………」
「………」
「……あの、ひょっとしてお兄さんも…」
「15だ!!俺は15だ!!15だからな!!言ったぞ!!15だ!!そこのじゃじゃ馬を見る目で俺を見るな!!」