君に幸せの唄を奏でよう。
「…お前と初めて会った時に言っただろ?傷つけて悪かった」
橘 奏は、もう一度謝りながら頭を下げた。橘 奏の突然の謝りに、脳内はパニックになっていた。
まさか、橘 奏の口から歌の話が出るとは思ってなかった……。
「…だ、大丈夫よ!全然気にしてないわ!」
てか、謝ってくれたし。あたしは、それだけで十分。
「…そうか」
そう言った橘 奏の顔は、安心していた。
「…そう言えば、先輩から聞いたんだろ?俺が歌を憎んでる事を」
そっか。草野さん、あの日のこと橘 奏に話したんだ。
「うん。聞いたわ。…ねぇ、一つ聞いていい?」
「なんだ?」
「やっぱり、歌が憎い?」
怒られる覚悟で聞いた。
この質問ができるのは、今しかない。
あたしは知りたい。橘 奏の答え(真実)を----。
「……ああ。憎い」
ズキ。
自分から聞いててあれだけど、やっぱ本人から直接聞くのってキツいなぁ……。
「……そっか」
あたしは、そう答えるしかなかった。