桜ノ籠 -サクラノカゴ-

 ♢


「着いたよ」

車が止まり、青磁先生が静かにそう言う。
でも、
車からは降りない。


青磁先生は、
私が降りるまで、待っていてくれている。


そう気付き、
私は一度目を閉じ、
深呼吸をした。



うん、大丈夫。


そう心の中で呟き、

私は腕に小さな白い菊の花を抱え、
車を、

降りた。




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