桜ノ籠 -サクラノカゴ-
「青磁先生、ここで少しだけ待っていてくれますか?」
「一緒に行かなくて、いいの?」
「はい」
平気、
と言えば嘘になるけど、
一人で行かなくてはいけない様な気がした。
だから、
「…向こうに、水汲み場があったっけ。お寺で桶を借りて水を汲んでくるよ」
そう、
一言残し、青磁先生はお寺の方へと歩き出した。
ありがとう、青磁先生。
私は、
抱えた白い小菊に視線を落とし、
ひとつ深呼吸をして、
カズ兄と瑛李香さんのもとへと、歩き出した。