桜ノ籠 -サクラノカゴ-

お墓の並ぶ石畳を歩き出すと、

ふと、
気付いた様に瑛李香さんが顔を上げた。



「……お久しぶりです、瑛李香さん」



振り返る前に、
彼女の背にそう声をかけると、


彼女の肩がビクッと震えた。




思い出す。

彼女にかけられた言葉の数々。
彼女から放たれた頬の痛み。



彼女とカズ兄が、
楽しそうに笑い合っていた姿に


痛んだ、胸の痛み。







怖かった。


なんて言われるか、

どんな風に私を見るのか、



怖かった。





でも、




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